記念受験組というクラスター
記念受験、もう字面の通り、一生に一度しかないタイミングなので記念に受験しちゃおっかなー!きゃっぴ!って感じで受験しにくる親子のことだ。これがまぁ小学校受験界隈では嫌われている。
記念受験組の中でも2タイプあって、「我が子の能力だと無理だと思うが、何があるかわからないからとりあえず受けさせてみるか」と「何も調べてないけど、とりあえず願書出してみよう」タイプ。今回は特に嫌われている後者について書いてみようと思う。
記念受験でもチャンスがある?は間違い
特に国立小学校は抽選で1次選考を行い、大きく絞られる学校がいくつかあり、その抽選は試験対策をしていてもしていなくても公平に選ばれるため、とりあえず抽選に申し込んでおこうという人がかなり多い。そのため試験の内容はそこまで難しくなくても、最終合格の倍率がべらぼうに高くなる。23区全部が通学圏内になる東京学芸大学竹早小学校を筆頭とした茗荷谷3校あたりは、高い年だと約70倍に達することも。
ただ、そんなに申し込みが多いからこそ、国立小学校は1次に受かっても2次選考の壁もかなり高い。普通に8倍とか10倍とかある。記念受験組を差し引いてもかなりの精鋭たちが集まっているのは間違いないので、結局そんなに甘いものではないのだ。
ちなみに、多くの児童を選考する場合は、月齢順で不利にならないようにする学校もあるが、応募順にグループ分けして選考するところも。応募順グループの場合、記念受験組はだいたい願書提出が遅いので、有名幼稚園やお受験塾に行っている人たちは募集開始直後など、なるべく早めに願書を提出し、記念受験組と同じタイミングでの選考にならないようにするなどの防御策を施すという。
斯く言う我が家も記念受験組と言われても仕方ないタイミングで受験を決意したのだが、記念受験組が嫌われているというのは事前に情報としてキャッチしたし、嫌われない程度には準備も行った。普段からスポーツ教室や学習の習慣が持てるような状況は作ってきていたので、通塾はしていないものの、全く対策無しかと言われるとそんなことはない(と思いたい)。
記念受験組が嫌われる理由
受験のお作法を知らず好き勝手動くので、他の子供が巻き込まれる
もうこれに尽きる。
お受験対策をしてきた子どもたちは、背筋をピンとしたまま、「待っててね」と言われたらちゃんと待っていられる子どもが多い。伝統的な学校ではそういった待機時間の姿勢も見られることがあるということで、その辺の躾もしっかりしているのだ。
一方で記念受験のお子さんは、まぁ、動く。座っててくねくねしているくらいならまだしも、勝手に立ってフラフラ歩いたり、他の子供に話しかけたりしてくる。なんなら喧嘩をする子もいるらしい。そして意外と多いのが受験以前に、親と離れたくないと泣く子。結構いるらしく、親御さんと離れる際に泣くお子様は受験を受けられませんと書いている学校もある。
お受験対策組も、みんなピシッとしている場面ではピシッとしているけど、とはいえやっぱり5歳・6歳の子どもだ。なので、周りで騒いでいる子どもがいたらそれに一緒に乗っかって騒ぐ子もいるだろうし、騒がなかったとしても、すごく気を張った場面で惑わされて本調子で試験に臨めない子もいるだろう。それが我が子だとしたら、、、これまで数年間の日時と、数百万という費用をこの日のためにかけてきたというのに、こんなダメな子のせいで!!! って思うのは、仕方ないよね。
まぁ、それでも惑わされないで、自分をしっかりもって受験ができる子も少なからずいるだろう。だが、グループワークのような選考があったとしたら? その子が議論をぶっ壊して班全体の評価が下がったり、なんなら途中で辞めさせられたりしたら? これまで数年間の日時と、数百万という・・・以下略。
まぁそんな理由で記念受験の子どもは避けられるわけです。
記念受験とバレないために
前述の通り、記念受験とバレない方が、変な目で見られずご自身のためだと思うのだが、ある程度を気をつければカバーできると思うので、注意点を何点か書いておこうと思う。
服装
親は濃紺スーツ、子は白シャツ紺ベスト短パン!これはもう、制服!
父親なら濃紺のスーツ。ストライプなし。母親なら濃紺のスーツか、たまにワンピース+ジャケット。基本スカート。なんならコートも濃紺。目立たず上品にというのが鉄板なので、お受験制服と言われるほど濃紺スーツが基本になる。
私自身目撃したのだが、親も子供もカラフルな普段着で来ている人がいて、それはもう目立ってました。たぶん小学校の親子面談みたいなノリで来たのだと思うが、一定の常識も量られるこの受験という場面においては事前調べ無しできましたーみたいなノリはNGだろう。学校としても、合格出した後この親子がくると考えると、通知物を配布しても「え? 聞いてませんでしたけど?」みたいなコミュニケーションとれない人が来ると思ったら絶対避けるでしょ。
お父様のストライプの入ったスーツですら浮いてたので、基本は無地が無難of無難。
子どもは白の襟付きシャツ(半袖でも長袖でも動きやすければOK)に紺ベスト、パンツは半ズボンで、濃紺かグレー。幼稚園や保育園の園名やら子供の名前が見えるところにあるのはNGな学校も結構あるので、上履きも受験専用のを買った方がよいです。はい。
その他の細かいお受験服は別途書こうかな。
服の乱れ
裾を出すな裾を。
子供が出てても入れてあげないし、なんなら父親もスーツからワイシャツの裾が出ている親子を見た時には、いや、そもそも社会人としてだな、という気持ちになった。「何をしにきたんや」って先生でもないのに思ってしまった。
あとは靴の踵を踏むとか、なんか服がよれているとか。明らかに周りよりも見劣りするのはちょっと厳しいんじゃないかと。人は見た目が9割って言いますし。見た目だけじゃないというかもしれないが、見た目に性格や考え方が表れるのは確かよね。
スリッパと靴を入れる袋
保育園の運動会とかだと、靴を入れる袋を持ってきてくださいと言われたら、たぶんスーパーの買い物袋を持って行くよね。え、うちだけ? いや、うちの保育園はそれが多数派だったし、たぶん庶民ならそう。だけど、受験の時にスーパーの袋持っていったら即記念受験とわかる。だってみんな濃紺か黒の靴入れを持っているんだもん。
スリッパもそう。みんな揃いも揃って濃紺のスリッパ。家に来たお客様用の一番上等なやつ!って思って花柄の刺繍スリッパなんて持ってきている人は、即記念受験ってバレるから気をつけなはれや。
待っている時の親の行動
正直子供よりも親の方が記念受験はわかりやすい。特に、奥さんに「あんた暇なら行ってきなさいよ!営業しているし私より話すの得意でしょ」みたいな感じで送り出された父親たち。
そんな親子は、上記の服装もそうだし、試験直前にトイレいこうとしたり(もっと早よ行けや)するのも、確かに周りの気が削がれてしまう。
親も面接があったりするものの、基本は子供を選考を受けているのだから、何気に待ち時間が多い。思っていた3倍は待つ時間があると思った方がいい。しかもシーンとした張り詰めた椅子だけがある待合室で。そんな時に携帯を見てゲームしたり、漫画読んだりする親が意外といる。一人や二人じゃない。しかもすんごい前屈みの人とかも。寝てるのかなって思ったわ。ちなみに前述の裾出し親子がこの前屈みゲームパパでした。奥さん、事前にこういうのはダメって言うんやで。。。
記念受験組っぽくない人でも意外と多いのは、何も持ってきていない親。そんな人たちは学校から配られた1枚の紙を永遠に見たり、子供に電車で読ませてたであろう絵本やドリルを見たりしている人が多く見られたが、それで2時間とか待つの、苦行だろうなー。
一番の多数派は持参の本を読む人。読んでいる本の内容は絶対見られてない(と思う)ので、小説でもなんでも好きなものでいいと思う。私の場合はメモ帳とペンを持ち歩き、仕事のアイデアをまとめたりしていた。
ちなみに、体験談として、後ろに座っている人がずーっとガサゴソガサゴソ折り紙を折っているような音をさせている人がいたんだけど、とあるタイミングで振り向いたら、本当に折り紙折ってる人いた。多分これまた子供が折って遊ぶための折り紙なんだろうけど、正直あのシーンとした空間でガサゴソやるのはどうかなと思いました。はい。